活動紹介

鯉のぼりに温かないのちのつながりを感じて

2022/04/20

秋田第二支部 広面地区主任 伊藤記子

 この度、ご本部で企画されている「祈りで育てるこどもマツリ」にあたり、我が家に眠っていた鯉のぼりを提供させて頂くことになりました。久しぶりに目にした鯉のぼりを通して、あらためて親の思いを感じることができました。

私が生後3か月のとき両親が離婚し、祖母に育てられました。母は、働きながら私に全力で愛情を注いでくれました。その後私は結婚し、長女と長男が授かりました。伊藤家にとって50年ぶりの男の子の誕生でした。「子供たちが健やかに育ち、幸せになってほしい」という願いを込めて母が購入してくれた鯉のぼりです。それが数十年のときを越えて、ご本部の地で陽の目をみる鯉のぼりになるとは思いもよりませんでした。「大聖堂の波羅蜜橋から大空に泳ぐ鯉のぼりを、きっと、亡きお母さんと娘の友子さんが手をつないで見にきてくれますね。お母さんと友子さんの供養になりますね。」と支部長さんから言っていただき、私は祖母と母と娘が手をつないで喜んでご本部きてくれることを思い浮かべ、とてもうれしい気持ちになりました。

 

 前髙橋教会長さんから娘が生前、主人を慕う姿を見て「娘さんの現れはあなたの心の現れ」と教えて頂きました。それまで私は、離れて暮らす父親のことを心の中で感ずることがありませんでした。娘が主人に愛情を求める姿に、主人と娘の姿を通して父親の存在、いのちのつながりをはじめて実感できました。

5年前、30年ぶりに父と再会を果たしました。そして父に「私を生んでくれてありがとう。」と伝えることができました。その父は今年101歳を迎えます。先日、父がお世話になっている施設の方から「お父さんに会えるから週2~3日朝食の手伝いにきませんか?」と声をかけて頂きました。主人も賛成してくれました。父に会いにいく回数がふえることにより、父との絆が深くなるようにとの仏さまのおはからいと感じました。おかげさまで父は元気です。

 

 お父さん鯉のぼり、子どもの鯉のぼり、主人と娘、父と私…。

鯉のぼりと私の人生を重ね合わせ、温かないのちのつながりを感じます。深い愛情を注いで育ててくれた祖母に感謝し、父と母の思いをかみしめ、大空に泳ぐ鯉のぼりに「世界の平和と世界の子ども達の幸せ」を祈念できるこの度のおはからいに心から感謝致します。ありがとうございました。                  合 掌

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